令和元年11月吟行会
【特 選】
散ってなお 燃ゆる命の 落ち葉かな
み仏の 居ます静寂(しじま)や つわの花
【良 選】
あきのそら ゆうやけはやい でもきれい
枯蟷螂 折れ曲げ果てし 六角堂
老いの足 試して紅葉の 道険し
み仏に 咲かせて菊花 僧は留守
紅葉の 色にも勝る 日々ありし
さくらの樹 紅葉に負けず 紅葉す
御堂へと 山道踏めば 木の葉散る
青空と 真っ赤な紅葉 鮮やかに
風の舞う 夕日とどめて 柿紅葉
幾つかの 紅葉眺めつ あと何度
秋の山 眺めてなごむ ほっと珈琲
腰掛けて 枯葉の音に 耳澄ます
笑い合い 紅葉弁当 迷い箸
蒼穹に 萌える一本 柿紅葉
人も世も 空気も変わり 秋茜
紅葉狩り 綺麗な色を 集めたり
晴れ渡り 山装いて 冬支度
仏の春 透きに透きくる 五感かな
賑やかに 色付く山の 大合唱
吟行会 支坊の庭に 紅葉舞う
もてなしの 紅葉じゅうたん 踏む支坊
あきのかぜ すずしいような さむいよな
小春日に 日向ぼこ爺 コックリさん
風薫る 軍手の中に 屁こき虫
肩に浄 紅葉嬉しき 吟行会
山紅葉 仏人の道 神の道
どんぐりが ごろんごろんと 泰心荘
秋の色 全部集めて 金仙寺
今和また 一人でながめる 秋の空
秋高し 大日如来の 笑みたもう
かめ虫を 踏んで香る 秋の堂
初霜や 飛び立つ小鳥 足の跡
もみじのは いろとりどりで しあわせだ
風寝込む 妻を横目に 秋のピザ
青立に 輝く紅葉 泰心荘
小春日や 爺は今年も 一等席