『幕府の宗教統制は仏教会を堕落させるが、
庶民の手に渡った仏教はエネルギーを爆発させる!』
このフレーズに感銘を受けて手にした本
私たち西栄寺は現代においても、
宗派に属せず独立した「単立」として
現代人の感覚にあわせた宗教活動を行っている。
決して本山系の大寺院を否定する意図はないが、
教義や教則を原理主義的に説くより、
僧侶である自分たちも含めて
世の中の困難に立ち向かうための手段として
今こそ仏教を解き直してみるべきだ。
仏教の本質は「覚り」を得ることにあって、
それは〝自分自身〟の中にある。
つまり、対象は人間である自分自身であり、
個人主義的な宗教なのだ。
ただ、本当の「覚り」を得た人間は、
ブッダ・仏陀のただ一人である。
私たちは約2500年前に起こったその「覚り」が
一体なんだったのかを今日も探求しているに過ぎない。
一方で、人々の探求の苦難から求活され生み出されたのが、
大乗仏教であり、それが庶民の仏教に生まれ変わったといえる。
そして、「覚り」は「救い」へと変化し、
「救い」は私たちに利益を与えるものとして
信仰のエネルギーを爆発させる。
今の時代、とても重要なことは、
宗教としての仏教を詳しく知ることよりは、
ブッダのこころを日常に照らし合わせて考えることである。