調整の力

調整の力
2009-01-29 12:42:40 (326 days ago)
近代経済学の重鎮、ジョン・メイナード・ケインズ氏によると、「預金は犯罪行為」だそうす。
「あなたが預金を増やせば増やすほど、失業者が増えるんです」と。

この度、オバマ米大統領は大統領経済諮問委員会(CEA)委員長にカリフォニア大バークレー校のクリスティーナ・ローマー教授を任命されましたが、このお方様、見た目はどこにでもいるような普通のおばさんですが、大恐慌研究の権威で在られるようです。
このお方様いわく「ケインズは私のアイドル!」と言宣っておられるようでして、アメリカの母は強し…大阪のおばちゃんも強し…

最近人気の知識人、榊原英資教授は著書にて「かつて江戸時代の農村といえば、民衆が貧しい暮らしをしていた時代と思われていたが、最近の研究によると、自治システムが整い、比較的平等な富の分配が行われ、貧富の差があまりない経済的豊かな社会であったことがわかっている。」とのべられております。

思うに、富とは、個人や団体が欲望のままにかき集めることが可能であったとしても、ある沸点のような所に達すると、調整の力が自然にはたらいて、取り上げてしまうのではないでしょうか。

現代の富とは、いうまでもなく「お金」であります。
目下、金融工学という名の下に何十倍にもふくらますことができる“レバレッジ運用理論”で、実体の無い巨万の富を己の物にすることが時代の最先端とされています。

しかし、昔の富は、お金ではなく、家、畑、食料や家畜、絹、などの物質が主体で、それらは、基本的には地球の大地がはぐくみ、人間に与えてきたものですから、人間が欲望のまま摂取しようとしても、争いの元凶になるうえ、そもそも、神や仏のお怒りに触れてしまいとてつもなく恐ろしい災いが起こるのではないかという節度的な感覚で調整する高度な精神社会が存在したのではないでしょうか。

特に日本という国のわたしたちのご先祖さまは。

参考著書 「榊原式スピード思考力」榊原英資 幻冬舎

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