終の住処を考える

2013−5/12
仏教大学ビハーラ研究会通年テーマ「終の住処を考える」
第2回テーマ「介護施設は終の住処になり得るか」
先月の第1回も昨日の2回も、参加者が昨年度より5倍ほど増えたとのことで、人生の終え方に関する世間の関心の高さが伺える。
参加者は主に、病院や介護施設に勤務する職員や、現在自宅で家族の介護をしている方など。
参加者からの意見で特に印象に残っているのは、「すでに介護施設は終の住処としてなり得ている、したがって設題を『介護施設をどのような終の住処にするのかを考える』として、それには仏教が必要なのだから、そのことを教えて欲しい。」「安らかな最期を送れるからといわれて、どのようなすばらしい施設であっても行こうとは思わない。施設でも病院でも自宅でも、安らかに最期を迎えるためには仏教が必要。」「はっきり言ってお坊さんの怠慢。」
仏教大の研究会なので、仏教に対する意識が高い人がが参加するのは当然として、しかしここまで熱く仏教を欲しているとは、私の認識の低さで猛省に値する。
正直に告白すると、洋服を着ていても頭を丸め明らかに僧侶と分かるのは私を含めて4〜5名程度。「お坊さんもっとしっかりせな!」とご意見が出されるのに「私は僧侶ですが…」と自分の意見を主張するどころか、場の雰囲気にのまれ肩をすくめてしまった。
参加者の話をよくよく聞いていて感じたのは、観光地にあるような有名な古刹に参拝すること以上に、身近なお坊さんに『安らいだ言葉を語って欲しい』という願望が強いことだ。
叱咤激励中、叱咤九割、激励一割ほどの厳しさであったが、僧侶はお寺から出て、人と交わり人と関わりもって、聴いて、聴いて、語り、語りながら、その言葉に磨きをかけなければならない強い再認識を得た。
とても有意義な研究会で、ありがたい感謝の時間であった。