入居者さんの旅立ち

「お寺の介護はいにこぽんの家」に入居中の“A子”さんが本日永眠されました。
A子さんは、循環機能に疾患があり、医療用酸素を付けていました。
サービス付き高齢者向け住宅では、医療的ケアが必要な高齢者の入居は、難しい現実があります。
A子さんのご家族から入居の打診があった際も施設としてどうしたらよいか検討しました。
ただ、介護福祉部長としての私の中では、 亡き長女が同じく医療用酸素のお世話になっていたことと、その亡き長女が小学校に入学する際、市の教育委員会は養護学校への入学を勧めていましたが、親の私たちの意向は地域の小学校へ入学させたいという思いが強くありました。
何度も話し合いをしながら、最終的には当時の小学校校長の「地域の子供達は、地域で育てるのが基本」という言葉が決め手になり、希望通り地域の小学校に入学できたことを思い出し、さらには、長女が小学校内で医療的ケアが必要になった時のため、ボランティアの看護師さんが付き添ってくださったことへの感謝のお礼につながると思い、A子さんの入居を引き受けました。

世の中は、目に見えない縁によって繋がっていると説くのが仏教です。
亡き長女とA子さん、そしてそこに関わる人たちは直接の関係はありませんが私という人間を通して縁を生み出したのです。

A子さんの、安らかなご往生を心より念願申し上げます。
合掌

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