死とはどのようなことをいうのだろうか。
もちろん、生命学、医学、倫理的に、
さらには法律によって死は定義されていることは承知している。
もし、身体が生命体の全てだとしたら、身体の機能が停止した段階、そして、例えば火葬された時点で、私たちが通常考える死が訪れたといえる。
それでは、心や思考や体験はどうなるのか。
一人の生命体がこの世に生まれた事実は、死が訪れても急に消え去ったりしない。つまり死というのは、私たち身近な者の前に五感に感じる範囲で居なくなることに過ぎない。大局で死を捉え、死に対する問いを深め、死を受容していく過程が宗教である。