苦の存在

5月も終わり6月がスタートします。
しかし5月は怒涛の日々を過ごしました。
西栄寺の介護福祉部では、コロナウイルス対策で
多くの問題にぶつかりながらもなんとかしのいできました。
あらためて〝生きる〟ことの大変さを実感した日々です。

仏教では、世の中は、つらいこと、悔しいこと、腹立たしいこと、
悲しいこと、苦しいことに覆いつくされていて、
真に喜ぶべきことは無いという教えがあります。
すべては〝苦〟という前提があって、
その〝苦〟を如何にして滅していくのかが仏教です。

私たちはどうしても〝苦〟遠ざけることに専念しますが、
〝苦を滅する〟ためには苦を受け入れるところからはじまります。
苦しさがあるからこそ、幸せがあることに気づかなければなりません。

ダライ・ラマ

「人類に関してもっとも驚いていることは、
人は、お金を儲けるために自分の健康を犠牲にし、
健康を取り戻すためにお金を犠牲にする。
そして、将来を不安がって今という瞬間を満喫できません。
結果的に、現在にも将来にも、どこにも生きることができないのです。
人は、あたかも自分が死なない者であるかのように生きています。
そして〝本当に生きる〟という経験をしないまま死んでしまうのです。」

ーダライラマー チベット仏教の最高位で世界的賢者

考えさせられることばです。
不安要素が取り巻くなかでこそ、
わたしたちはしっかりと前を向いて
生きていかなくてはなりません。

百忍

「変に処しては〝百忍〟の意を以ってこれにあたるが如し」
中国古典の指南書「菜根譚」にあることばです。
「変に処しては」とは人生において踏ん張りどころであり、
「百忍」とは〝忍〟を〝百回〟書き記すほど耐えるという意味になります。
いま、まさに、世の中は「変に処して」であり、
そして「百忍」の心で乗り切らなくてはなりません。

西宮坊の山門でお客様を迎える仏さま

仏教の救済

新型コロナウイルスの猛威に世界中が混乱し、
多くの人たちが生活環境の激変に耐え忍んでいます。

このような状況で「仏教は何をしてくれるのだろか…」と
自問自答を繰り返しますが、正直なところ明確な答えは
浮かんできません。

仏教の本質は「自らの修練で悟りをひらく」ことにあり、
じつは、仏教の方からの救済はありません。

しかし、祈ったり拝んだり願ったりすることは、
人間の営みに不可欠な行為であります。
そのことで、救われる人が多くいるのも事実です。

現在のような不安定で困難なときは、
自宅で、手を合わせて静かに祈ることも大切であります。

少し優しく微笑んでいるように見える西宮坊のお釈迦さま

信仰心

宗教は支えになるのでしょうか…
わたしたち日本人はとりわけ「宗教」と聞くと
嫌悪感のような感情が湧いてきます。
けれどじつは、日本人こそ宗教的な暮らしをしています。
季節の行事 お祭り 寄せ 市 お供え 冠婚葬祭
わたしたちのご先祖は、いにしえから
〝幸せを願う〟ことで暮らしを豊かにしてきました。
幸せを願うというのは〝祈り〟のことですが、
祈りというのは〝信仰〟のことです。
信仰は、自己肯定感が増すといわれていて、
そういった〝信仰心〟がわたしたちを強くするのです。

永代供養堂のあみださま

浄土和讃

お寺の介護ではコロナ対策に必死です。
利用者さまもスタッフも誰一人として感染して欲しくない!!
私は強い気持ちで念仏を申します。

ー浄土和讃ー
比叡山の最澄大師は
国土の人民をあわれみて
七難災難消滅の誦文には
南無阿弥陀仏を称えるべしと

浄土和讃

空気清浄機

お葬儀の僧侶控室にて、
かわいらしい小型の空気清浄機は、
私が入室して間もなく、
「ぶぉぉぉぉぉ~~~~ん!!」
と轟音を立ててフル回転し出しました。
よくみると、感知式自動運転です。

何を感知したのか?
もしかして、
私は、そんなに空気を汚す男なのか?

私の名は〝よしだけいいち〟
イニシャルは〝KY〟
家内からはよく〝空気を読まない男〟
とお叱りをうけますが、
〝空気を汚す男〟とは思いもよらぬダメ出し。

あみださま
どうか、私めを清浄してやってくださいませ。

「清浄光明ならびなし!!」

ぶぉぉぉぉぉ~~~~ん

あみださま・その2

イラストレーターの黒犬氏と
〝あみださま〟のキャラクターについて雑談。

あみださまと大阪のおばちゃんをかけてみれば
斬新で身近なあみださまになるのではないか!?

ゴリゴリの関西弁で、
「あんた、しってるかぁ?」
と仏教豆知識を披露したり、

「正座して足しびれた?どれ、見してみぃ」
とおせっかいをやいたり

「あんた、これ食べていき!」
とお供え物をくれたり

「仏はほっとけ!!」
などのしょーもないダジャレを発したり

そんなこと考えていたら、
あみださまの頭(螺髪・らほつ)も
おばちゃんパーマに見えてきた!

ほんとうにすみません…
決して悪ふざけではありません…
親しみやすいあみださまを
模索しているのです…
(-ノ-)/Ωチーン

あみださまから教授してもらっている西西くん

独生独死

独生独死独独去独来
どくしょう、どくし
どっきょ、どくらい

おおよそ人は、
ひとり生まれ、ひとり死に
ひとり去て、ひとり来る。

突き詰めて考えれば、
人は孤独なものです。

だからこそ、
身近な人が何より大切です。